・社会的包摂(ソーシャル・インクルージョン)

ソーシャル・インクルージョンとは、社会から差別・排除されている人々を社会へ包摂・包含していこうとする理念です。

フランスやイギリスでは、ソーシャルインクルージョンを社会政策における最優先課題として位置づけられています。

特に、1997年に政権を獲得したイギリスブレア政権は、市場と国家に加え、コミュニティの役割を重視しました。そして、市民の自発性に基づく参加型社会として、すべての人が排除されず自立した生活を営めるような社会を目指しました。

また、日本では、2000年に厚生労働省より「社会的な援護を要する人々に対する社会福祉のあり方に関する検討会」の報告書が発表されて以降、この考え方が広く用いられるようになっています。

地域社会では一般的に、ホームレス犯罪歴のある人、障害をもつ人、外国籍の人が排除されがちです。そのため、このような人たちを孤独や孤立、排除から守り、社会の一員として包み支え合う社会をつくっていかなければなりません。

公益社団法人日本社会福祉士会の倫理綱領においても、社会に対する倫理責任としてソーシャル・インクルージョンを定められています。

・社会的排除(ソーシャル・エクスクルージョン)

ソーシャル・エクスクルージョンとは、2011年の「社会的包摂制政策を進めるための基本的考え方」の中で、「問題が複合的に重なり合い、社会の諸活動への参加が阻まれ社会の周縁部に押しやられている状態あるいはその動態」と定義されています。

雇用の不安定生活基盤の欠如などの社会的排除を生み出す要因を、軽減・解消するために、ソーシャル・インクルージョンの考え方を利用し、排除されている人を包み支え合う社会をつくっていかなければなりません。

日本における社会的排除の例としては、定住外国人(特に不法滞在者)問題が挙げられます。共通する文化コミュニティでは強い結びつきを持つ一方、日本語を話せない人は閉じこもりがちになり、コミュニティとの隔絶が進行することに…。

特に、不法滞在者は社会保障の対象とならず、経済的な問題から犯罪行為を行うなど、治安対策上の問題となっています。不法滞在者であっても社会の一員として認めるのか、それとも厳正に犯罪者として対処するのかは難しい問題です。



参考文献

TAC社会福祉士受験対策研究会(2018)『2019年版みんなが欲しかった!社会福祉士の教科書 共通科目編』TAC出版.

TAC社会福祉士受験対策研究会(2018)『2019年版みんなが欲しかった!社会福祉士の教科書 専門科目編』TAC出版.

一般社団法人日本ソーシャルワーカー教育学校連盟(2018)『2019社会福祉士国家試験過去問解説集』中央法規出版.

デイビッド・バーン著/深井英喜・梶村泰久訳(2010)『社会的排除とは何か』こぶし書房.

著者
ちゅるない

ちゅるない

福祉系公務員の試験に挑戦しましたが、すべて面接で撃沈…。 筆記試験は合格できたので、福祉職や心理職を目指す人に向けて、そのことを中心に助言したいと思います!

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