私は保護観察官を志望していたこともあり、面接でのネタ作りも兼ねて更生保護施設を何度か訪問したので、そこで私が見たものや感じたことについてお話ししようと思います。

まず、更生保護施設はどんな施設なのかというところから。

簡単に説明すると、更生保護施設は、刑務所から出てきた人や保護観察を受けている人などの中で、住む所がない人たちを宿泊させ、自立を支援する施設です。

国や地方公共団体が直接運営しているわけではなく、法務大臣の認可を受けた更生保護法人などが運営する民間の施設です。

入居者はただ単に寝泊まりしているわけではなく、社会生活技能訓練(SST)やコラージュ作成、地域清掃活動、就労支援などの支援プログラムに基づき自立を目指しています。

ちなみに、更生保護施設とよく似た名称で”更生施設”というのがありますが、こちらは生活保護法に基づく保護施設の一つで、養護や生活指導が必要な人に生活を扶助をするための施設です。

具体的には、障害のある人や、何らかの依存症の人などのうち、生活保護を必要とする状態にある人が対象になります。

生活保護を受けているかいないかは入居条件に関係ありません。

更生施設には、犯罪をした人や執行猶予中の人も入所することがあるので、ますます更生保護施設との区別がつけづらいですね…。

更生保護施設と更生施設の違いについては、面接でも聞かれるかもしれないので要注意です!

・更生保護施設を訪問した感想

なぜ更生保護施設を訪問したのかというと、単純にどんなところなのか興味があったことに加え、面接でのネタ作りの目的もあったからです。

※訪問の際は事前に連絡をし、快く受け入れていただきました。一応特定される恐れがあるので、具体的な施設の名称は控えさせていただきます。

更生保護施設を訪問した第一印象としては、まず施設が普通の住宅地の中にあり、それも小学校の近くに建っていることに驚きました。

少し失礼かもしれませんが、更生保護施設は暗い感じの施設で、もっと人気のないところに建てられているのかと思っていました。

施設の中も刑務所のような暗い感じでははなく、イメージとしては、小学校のときの野外活動で宿泊した施設と同じような雰囲気です。

入居者が生活する個室も思ったより広く、刑務所のような鉄格子ではなく普通の窓でした。笑

それと、入居者と少し話をする機会があったのですが、なんとも言えない感情になったことがとても印象に残っています。

「普通の人に見えるけど、この人は何かしらの犯罪をした人なんだな」と思うと、色々と思いをはり巡らせてしまって、ただ会話するだけでもかなり緊張してしまいました…。

こんな感情を持つのは相手に失礼だったかもしれませんが、「一度でも犯罪をしたことがある人=怖い」という世間一般的なイメージが、更生を目指す人への支援を難しくする原因なのかもしれませんね。

犯罪をした人全員が極悪人というわけではない、と頭では理解しているつもりなのですが、いざ対面してみると、やはりちょっと怖さがあります。

・更生保護施設が抱える問題

施設の職員さんから話を伺い、更生保護施設を運営するにあたって、いくつか問題点があることがわかりました。

1つ目の問題点は、地域との関係性です。

やはり更生保護施設の存在は少なからず迷惑に思われており、時には近隣住民から心無い言葉を浴びせられることもあるそうです。

近隣住民の理解を得るために、更生保護についての啓発活動や、地域清掃活動などを積極的に行っているそうですが、全員から理解を得るのは並大抵のことではないように思えます。

私自身、もしも自宅の近くに更生保護施設があったら、少し不安に思うかもしれません…。

2つ目の問題点は、施設退所者のほとんどが生活保護を受けながら生活していることです。

新しい住居や仕事が見つかり、施設を退所するまではいいのですが、ほとんどの人が生活保護に頼らざるを得ない状況にあるそうです。

生活保護を受けながらの生活では、まだ完全な社会復帰、自立とは言えないので、いかに生活困窮から脱却させるかという点も更生保護における大きな問題の一つですね。

更生を目指す人に対し、安定した生活を送るための支援をすることで、再犯の防止にもつながります。

・更生保護施設訪問後の私の考え

「更生を目指す人への支援をもっと充実させるべきだ」「犯罪をした人の支援に税金を使うのはおかしい」など、更生保護については色々な意見があると思います。

個人的には、支援を充実させることが再犯の防止につながるし、新たな働き手の創出にもつながるので、更生保護は地域で暮らす私たちにとっても大きなメリットがあるんじゃないかな、と考えています。

いずれにしても、もっと多くの人に更生保護について知ってもらい、色々な意見について議論が交わされていってほしいですね。